THE TSUYAHIME CHARTER
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「亀ノ尾」の育成者
阿部亀治氏
蔵王を眺望する収穫前の黄金色の「つや姫」(上山市)
「つや姫」は日本人がお米に期待する美味しさのすべてを備えています。
「つや姫」の高い完成度はどこから来るのでしょう。それは山形県独特の自然の恵みと農家の愛から来ています。
山形は北緯38度。出羽三山「羽黒山、月山、湯殿山」、その裾野に広がる豊かなブナの森。森から常時湧き出る極上の天然ミネラル水。四季それぞれの風と陽光、そして農家が長い時をかけて肥沃に育てた田の土。これら微妙な自然のバランスと摂理が「つや姫」の母体となっています。「つや姫」は、山形県の自然と県人の志、その両者の深いコミュニケーションが生んだお米の傑作です。
雪解けのミネラル水を貯える、白い森、広大なブナ林(小国町)
「つや姫」の価値を全国のご家庭や料理店、割烹、レストラン、ホテル、あるいは諸外国に正しく伝えていくために、以下に基本的なメッセージを用意します。
※「つや姫」は山形県のプランド米であり、戦略に基づいたコミュニケーション活動が必要です。広報、宣伝、プロモーション、その他の活動において、メッセージ戦略の基本を理解し、足並みをそろえることが重要と考えています。
「つや姫」は山形の希望であり、牽引力です。
「つや姫」はいわゆる商品開発ではなく、価値創造の事業でした。そこに、「つや姫」が示す大きな意義と役割があります。「つや姫」の成功の第一歩は、これからの山形県、県民に多くのことを示唆していると思います。「つや姫」は単に「美味しいお米」というだけではなく山形県の文化的象徴です。農業における先輩県人の知恵を継承し、そこに今日的な意義と要件を加え、現代農業技術の粋を発揮して「とびぬけて美味しいお米」という新しい価値を創り上げました。
この開発のプロセス自体が、これからの時代を生き抜いていく地域の知恵であり、在り方への挑戦と思っています。「つや姫」は山形県人に生きる張り合いと自信を与えてくれる牽引力となるでしょう。まさに真のブランドであり、文化の力といえるのです。
「つや姫」の誕生には、これから地域を支えていく子ども達に「農」を通じて「食」の大切さを伝えていく大きな役割が期待されています。
日本人の食の原点は「ごはん」にあります。栄養バランスに優れた「ごはん」中心の「日本型食生活」を学校や家庭において実践し、伝統ある食文化を再認識することで、「農」への想いを馳せ、食文化の継承や食料自給率の向上に確実につながっていくはずです。
時代の価値観はいま「市民の幸せ実感の実現」に絞られてきました。市民が不安なく、生きる喜びを実感できる社会、地域、国家、そして食の安全をはじめ、すべてに安心と安全の保たれる日常。市民が未来へ希望と喜びを持てる社会。いま、世界が目指しているのはこの方向といえるでしょう。
山形県もこうした世界の中にいます。私たちの進むべき方向性は、県民が誇りと喜びと希望を持って生きる新しい山形県の創設であり、その時、山形ブランドが導く力は実に大きなものがあると考えています。そして、いま、私たちは日本全土に誇れる山形ブランド「つや姫」の創出に成功したのです。
「つや姫」は我が家のお米であるだけではなく、同時に日本全国と世界に誇れる私たちひとりひとりのブランド。そして山形そのもののアイデンティティの象徴です。
直接このプランドに関わる仕事をしていなくても、山形県人であることによって、このブランドに連帯しています。私たちは自信を持ち、誇りをもって「つや姫」を語り、これからも山形の創造力と希望を発信していきましょう。
大正5年に設計された旧山形県庁舎「文翔館」。現在は郷土館に(山形市)